ロード・クエスチョン〜登山と自転車と温泉と〜

旧「ロードバイク辛みのデスロード」

ロードバイクの「質」と「量」と、ジムを続けようと思った話

最近仕事で「質の高さ」についての話題がよくあがる。

 

「質が高い」とは何か。

 

今回はロードバイクのトレーニングの「質」の話をしてみる。

 

結論から言うと答えはすべてここにあった。

レーニングというのは、真っ白なキャンバスに、感性に基づいてあなたというレーサーを描き上げる行為です。その絵の美しさが、質です。


19歳男性「トレーニングの質とは、具体的に何なのでしょうか?」 | Cyclist

 

 

ジムの会員になった

近所のジムに見学にいった。

 

私のジムの目的は減量も含めて完全に「ロードバイク」にある。

 

エアロバイクはどんなタイプか。

モニターやテレビがあり飽きずにやれるか。

スピードやケイデンス(ペダルの回転数)など、どのような数値を計測できるか。

それを見学で確かめたかった。

 

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ジムにあったのはこのようなロードバイクタイプと、ノーマルなタイプの2種類。

 

ロードバイクタイプにはモニターやテレビはなく、ケイデンス、パワー、消費カロリー、時間のメーターがついているだけ。

カジュアルに有酸素運動だけでなく、「速さ」の練習もできるガチトレーニング器具だ。

 

お、おう…。

 

これは飽きとの闘いになりそうだ。

 

そう思いながらもTT用のハンドルにスマホを置いてYouTubeでも見れば案外いけるのでは、ということで入会。

 

ロードバイクタイプはそんなに人気がないからコアタイムですらいつでも空いてるとのこと(そうだろうな…)。

 

ひととおり説明を受けて早速エアロバイクに跨った。

 

「拷問器具」とも噂されるエアロバイク。

実際はどうだったかというと、噂通りの拷問器具だった。

 

3分が果てしなく長い。

気を緩めると70回転維持しないといけないメーターの値はどんどん下がる。

 

きつい。

 

実に退屈で機械的だ。

一度外に出たら帰るまで走り切らないといけないツーリングと違って、ジムのトレーニングはいつでも辞められる。

だらだらペダルを回すこともできる。

それがさらに精神的につらかった。

 

「サボると筋肉は裏切る。いや、裏切るのはお前だよ。筋肉はいつも正直、筋肉のせいにするな」

 

こんなツイートがフィットネス界隈を中心に時々回ってくる。

今ここでペダルを回すのを辞めるのか?裏切るのか?じゃあ何しにここに来たんだ?

 

辞めたい衝動に何度もかられながらも、なんとか負荷を調整しながら70回転、30分のエアロバイクを終了した。

 

最後の1分もやたらと長かった。

 

股間が痛い。

このまま続けると、生命体として問題がでるのではないか?と思う感じのやばさを股間に感じた。

対策しないと続けられない。

初回から拷問だった。

 

ここまでが「量」の話である。

 

 

では、私が真っ白なキャンパスに描くロードバイクの絵は何だろうか。

 

私はレースには出ないし、今後も出るつもりもない。ただのホビーレーサーだ。

 

そんな自分にとっての「質」とはなんだろうか。

 

 

私が描く絵、その舞台はロードバイクのツーリングにある。

 

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山を登りきった達成感と震えるほどの喜びをまた味わいたい。

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遠方の島々で、海風を浴びながら非日常を感じながら走りたい。

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静まり返った早朝都内の違った顔を見てみたい。

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自分の身体と、バイクひとつでどこまでも行けるという可能性を試したい。

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ロードバイクに乗れれば乗れるほど、冒険の幅はどこまでも広がる。

 

富士山を登ることも、国内の離島も、北海道も、沖縄も、台湾も、サイパンも、ロードバイクの本場ヨーロッパすらも、ロードバイクがあればどこまでも冒険できる。

 

今の私は100kmなら走れる。多分200kmもいけるだろう。

山も箱根くらいの峠の山なら登れる。

しかし、いいペースで走れたか、いいコンディションで走れたかとなると別だ。

 

いいペースとコンディションで走れれば、もっと距離を伸ばせる。もっと高い山も登れる。もっと遠くの地まで行けるはずだ(楽ではない)。

 

いいコンディションで長時間走れるような絵を描けるか?

 

私のトレーニングの質はここにあるのだろう。

ここまで書いて、モチベーションというやつでは?とも思ったがまあどっちでもいい。

 

  

ジムでエアロバイクに跨りながら、ロードレースの動画をスマホで見ていた。

かつて幾度もレースで優勝した選手カンチェラーラがその強さを見せることなく、サガンが独走優勝する動画だった。

タイトルには「世代交代」と書かれていた。

 

カンチェラーラの走りは好きだ。他の選手をぶっちぎるパワーを持ち、過去のレースの優勝シーンはどれも華やかで、見ていて熱くなった。

それだけにカンチェラーラのゴールは少し悲しかった。

しかし、同時に新たな勝者となったサガンを応援したくなった。 

自分もここで漕ぐのを辞めずに頑張ろうと思った。

ロードレースにはドラマがある。

そこに描かれているのが選手の人生の一部だから、応援したくなるのかもしれない。

ジムでなら、選手達と一緒に走れる。

 

もう少しジムを続けてみようと思う。